角膜は、眼球の前面中央部を覆う直径11.5-12mm、厚さ0.5-0.6mmのドーム状の
透明で光沢のある膜です。
光は、この膜を通り屈折され網膜に達します。眼の屈折力の2/3を担当する重要な
組織です。角膜は、表面から上皮、ボウマン膜、実質、デスメ膜、内皮の5種類の層で
成り立っています。上皮は、傷害を受けても、直ぐに再生しますが傷害が上皮より深い
部分に達すると、傷が治っても混濁を残します。
角膜の最も内側には、内皮と呼ばれる1層があり、角膜から水分を排泄する機能が
あります。この層が傷つくと、角膜が水分を含んで厚くなり、皺を生じ、濁ってきます。
角膜内皮の細胞は、年齢と共に数が少なくなり、その機能も低下します。また、一旦、
傷つくと再生することはありません。移植前に、献眼の角膜内皮を検査するのは、
移植後に角膜内皮の機能が維持されるかどうかを確認するためです。
濁った角膜を、透明な角膜と取り替える手術を角膜移植といい、角膜以外に異常が
なければ移植によって視力を回復することができます。移植に用いる透明な角膜は、
亡くなられた方からアイバンクに提供されます。 |