角膜移植について

角膜の構造

角膜は、眼球の全面中央部を覆う直径11.5-12㎜、厚さ0.5-0.6㎜のドーム状の透明で光沢のある膜です。

光は、この膜を通り屈折され網膜に達します。眼の屈折力の2/3を担当する重要な組織です。角膜は、表面から上皮、ボーマン膜、実質、デスメ膜、内皮の5種類の層で成り立っています。上皮は、傷害を受けても、直ぐに再生しますが、傷害が上皮より深い部分に達すると、傷が治っても混濁を残します。

角膜の最も内側には、内皮と呼ばれる一層があり、角膜から水分を排泄する機能があります。この層が傷つくと、角膜が水分を含んで厚くなり、皺を生じ、濁ってきます。角膜内皮の細胞は、年齢とともに数が少なくなり、その機能も低下します。一旦傷つくと再生することはありません。

角膜移植は、濁った角膜を透明な角膜と取り替え、視力を回復するための手術です。

角膜移植の方法

全層角膜移植術

角膜の全層を交換する手術で、角膜内皮に障害のある水疱性角膜症や角膜の混濁が深部に及ぶ場合に行います。

表層角膜移植術

角膜上皮と実質部の病変のみを切除し、表層の角膜片を移植する手術で、角膜実質の表層のみの混濁などに対して行います。

深層表層角膜移植術

デスメ膜と内皮のみを残して角膜上皮と実質のすべてを切除し、表層角膜移植術と同様に角膜上皮と実質のみを移植する手術で角膜の内皮細胞が正常に保たれている場合に行います。

角膜の提供から移植まで

①連絡

アイバンク登録カードを所持されている方が亡くなられた場合は、下記アイバンクまでご連絡ください。ご遺族の承諾があれば献眼できます。また、アイバンクに登録されておらず、献眼の意思が不明の方でも、ご遺族の承諾があれば献眼ができます。詳しくは、下記アイバンクまでお問い合わせください。

<(公財)岡山県アイバンク>
086-223-6622
※土・日・祝日及び平日17時から翌朝9時までは、
岡山大学医学部付属病院眼科病棟へ電話が自動的に切り替わります。

  • 亡くなられてから10時間までは献眼が可能であると言われていますが、季節や亡くなられた時の状態も関係しますので、連絡はなるべく早くお願いします。
  • 献眼登録された方の意思は、ご遺族からの連絡によって生かされます。日頃から、ご家族で献眼についての意思確認を行うよう、ご理解・ご協力をお願いします。

②眼球摘出

アイバンクから連絡を受けた角膜移植協力病院の医師が、ご連絡いただいた先に伺います。到着後、ご遺族に眼球摘出と採血の承諾をいただいた後、眼球の摘出を行います。所要時間は、1時間から1時間半程度です。ご遺体は医師が丁寧に処置し、義眼を挿入します。

③検査

角膜移植を受ける方の安全のために、次の検査をします。

  • 感染症の有無
  • 角膜内皮の状態

④保存

3の検査で問題がなければ、眼球から角膜を取り出し、特殊な保存液に保存します。

⑤手術

角膜移植を受ける方を登録者の中から選び、移植手術を行います。

⑥広域あっせん

県内に移植手術の該当者がいない場合は、他県のアイバンクに眼球が提供されます。

献眼から角膜移植まで

岡山県内の角膜移植協力機関
(五十音順)

大本眼科医院岡山市中区浜2-8-19(086)
273-1797
岡山済生会総合病院岡山市北区国体町2-25(086)
252-2211
岡山市立市民病院岡山市北区北長瀬表町3-20-1(086)
737-3000
岡山赤十字病院岡山市南区青江2-1-1(086)
222-8811
岡山大学病院岡山市北区鹿田町2-5-1(086)
223-7151
岡山労災病院岡山市南区築港緑町1-10-25(086)
262-0131
倉敷中央病院倉敷市美和1-1-1(086)
422-0210
川崎医科大学総合医療センター岡山市北区中山下2-6-1(086)
225-2111
川崎医科大学附属病院倉敷市松島577(086)
462-1111
岡山医療センター岡山市北区田益1711-1(086)
294-9911
津山中央病院津山市川崎1756(0868)
21-8111